この記事はメーカーから製品サンプルの提供をいただき執筆しています
Godox SL200W II(ゴドックス)
こちらが今回紹介する、200Wの高出力に対応した、色温度5600K固定の定常光LEDビデオライト『Godox SL200W II』。
明るさだけでなく、光の演色性もCRIが96、TLCIが97と高いようで、違和感の少ない自然光に近い光で被写体を照らすことができる点も特筆すべきポイントだと思います。
もちろん、PSE認証済みの製品でもあるので安心して使える。
メーカーに確認済み
電源 | AC100V〜240V(50/60HZ) |
最大出力 | 200W |
色温度 | 5600±200K |
100%照度(距離1m) | 74000 |
CRI | 96 |
TLCI | 97 |
調光範囲 | 0%〜100% |
動作周囲温度 | -10℃〜40℃ |
チャンネル数 | 32個 |
グループ数 | 16個 |
サイズ | 367mm×200mm×160mm |
重量 | 3kg |
同梱品について
同梱品は以下の通り。
- 本体
- ライト保護カバー(本体にセットされている)
- 電源ケーブル
- リフレクター
- リモコン(品番RC-A6)
- クリーニングクロス
- 日本語対応の取扱説明書
- 保証カード
- カラーディフューザー×6(ホワイト・イエロー・グリーン・レッド・紅・ブラウン)
Godox SL200W IIと一緒に購入しておきたいアクセサリー
『Godox SL200W II』の電源ケーブルは3ピンプラグになっているので、対応していないコンセントの場合は、2ピンに変換するためのアダプタを用意する必要があります。
リモコンを使用するための単4電池2本の用意も必要。
ちなみに充電池も問題なく使用できます。
ライトをセッティングするにはライトスタンドも必要になります。
持っていない人は、以下あたりがおすすめです。
各部の詳細や特徴について
こちらが本体になるんですが、とにかく大きくて重たいというのが最初に触った感想。
サイズが約367mm×200mm×160mm、重量は約3kgもあり、これまで使っていた照明がおもちゃに見えてしまうほどゴツく本格的なプロ機材のよう。
本体は放熱性に優れたアルミ素材になっていて、重厚感がありチープさは全く感じない。
本体が大きい理由のひとつに、電源ユニットがケーブル途中ではなく、内蔵されていることも大きな理由になっていると思う。
操作パネルは以下が並ぶ。(左上から)
ボタンが多いので、操作や設定が難しいようにも見えるが、基本、光量調整のダイヤルとファンボタン以外は、一度設定してしまえば使うことはあまりない。
- FXダイヤル(エフェクト)
- DIMダイヤル(光量)
- FXボタン
- GRボタン(グループ)
- CH(チャンネル)
- ファンボタン
- 電源スイッチ
ボタン類以外のインターフェース
- ハンドル
- 吸気口
- 液晶ディスプレイ(LCD)
- 電源ソケット
本体の上部と下部にはそれぞれ排気口とファンが搭載されており、高出力ライトではあるが、その分しっかりと熱を逃してくれる構造になっていて排熱性能は高い。
空気の動き的には、操作パネル部にある吸気口から空気を取り込み、上下に逃がすという構造になっていると思う。
また、『Godox SL200W II』には、サイレントモードという機能が備わり、動画撮影など音にシビアな場面でファンを停止させることもできます。
本体下部にはアンブレラホルダーも完備。
これだけ大きく重量もあるので、角度調整はかなり力がいると思いきや、ダイヤルにはギザギザの山加工があり、無段階の山無しダイヤルに比べると、山の分だけ多く緩める必要はありますが、容易に任意の位置でキープすることができる。
大きなソフトボックスなどを使った際でも、首が下に向かず安心して使うことができると思います。
また、ブラケット自体はクルッと上部に向けることも可能で、スタジオなどしっかりとした環境下であれば天吊りセッティングなんかもできます。
黄色い部分がLEDの発光部。
LED照明と聞くと小さい電球がたくさん並んでいるモノのイメージがありますが、『Godox SL200W II』は、大きな電球がひとつのタイプ。
使用時はライトの保護カバーを外します。
付属のリフレクターを装着する場合は3箇所の穴に合わせて右回しするとカチッとロックが掛かる。
このマウントは、ボーエンズマウントという規格になっていて、各種アクセサリも豊富にあるので、光の表現方法が色々とできそう。
リフレクターをを装着するとこんな感じになります。
ケーブル自体は太いけど、電源ユニットは本体内蔵型となっているので、ケーブルの取り回しは比較的しやすい。
また、ケーブル長が約5mほどあるので、延長ケーブルを使わず、コンセントから離したり、高い位置でセットなんかもできる。
前述したように、付属の電源ソケットは3ピンとなります。
このように3ピンから2ピンへ変換するアダプタを使うことで一般的なコンセントで使用できるようになる。
ディスプレイ表示と操作方法について
ディスプレイは、ブラックの背景にホワイトの項目表示がされ、目視や各設定状況の把握がしやすい。
基本的には輝度調整(明るさ・光量)は右ダイヤルを使い、それ以外は左ダイヤルを使い設定します。
5600Kが色温度になり、これは固定で色温度の変更はできません。
まず、一番大きい表示の10%というのが現在の輝度のレベルになり、右のダイヤルを回すことで、1%〜100%まで1%刻みで調整ができます。
その横のAと表示されているのが「グループ」。
グループは、0〜9、A〜Fの計16グループの設定ができる。
設定時は、GRボタンを繰り返し押すか、GRボタンを押した後、左のダイヤルを回すことで設定ができます。
その下の21と表示されているのが「チャンネル」。
チャンネルは1〜32まで、設定ができる。
設定方法は、CHボタンを押した後は、グループ設定と同じ。
また、CHボタンの横の白く点灯しているのがファンのオン/オフボタン。
ここが点灯中は、ファンが稼働している状態。
で、収録など音に敏感な環境下の際、このボタンをオフにすれば、ファンの回転は停止する。
ファンを停止すると、光量が下がってしまいますがそれでも十分使えるレベル。
それと同時に放熱性も下がってしまうので、特別音にシビアな環境でなければ、稼働させておいていいと思います。
ファン自体は、回っていてもかなり静かなので。
IDの設定をするには、GRボタンとCHボタンを同時に長押しすると設定画面に切り替わる。
IDの選択範囲は01〜99、またはOFFにすることができる。
リモコンとのペアリングの際は、IDも合わせる必要があるのでリモコンが使えない人は、本体とリモコンのIDが一致しているかも確認してみましょう。
リモコンの設定方法
『Godox SL200W II』を単体で使用するのであれば、本体とリモコンのグループ、チャンネル、IDの項目を合わせるだけで大丈夫です。
リモコン設定時の操作ですが、CH/GRボタンを1回押すとグループ、さらにもう1回押すとチャンネル、素早く2回押すとIDの設定ができます。
一度設定すれば、こんな感じでリモコンから輝度調整ができるようになります。
リモコン側では、色温度の変更もできるようになっていますが、本体が対応していないので変更しても意味はない。
また、電源のオンオフ操作も、本体側の主電源自体が切れるというわけでなく、点灯をオフ状態にできるという認識が正しいと思う。
実際、オフにしてもファンは回ったままですし、ディスプレイも付いている状態。
撮影が終了した際は、リモコンではなく、手動で本体の電源を切る必要があります。
リモコンでファンのオン/オフ操作はできません
ただし、照明本体の電源が物理ボタン式になっているので、スマートプラグを使えば、スマホで電源のオンオフ操作ができるようになります。
もちろん、スマートスピーカーと連携すれば音声操作もできる。
僕は以下の記事で紹介したメーカーのスマートプラグを使って操作しています。
今ならこんな製品もいいかと。
明るさの確認と写り方
上記では、サイレントモード(ファン停止状態)にて、10%刻みで輝度レベルを上げ、100%の後に、サイレントモードを解除し通常の100%の光量を試しています。
リフレクターありとなしで撮影。
ライトの位置や光量は変えていません。
リフレクターなしの場合は、指向性がなく、広範囲を照らすイメージ。
リフレクターを付けると集光性が上がり、スポット的に被写体を照らすことができるのが分かる。
ライトを直接被写体へ向けると、どうしても影がくっきり出過ぎて、撮れる絵がどぎつくなってしまう。
ただでさえ、200Wと光量が強いため、ライトを被写体へ向けるのであれば、ディフューザーやソフトボックスを使い、光を拡散し、全体的に光を柔らかくすると撮れる絵も変わると思います。
もちろん、ディフューザーやソフトボックスを使っても十分な光量を確保できる。
特殊効果(FX)モード
『Godox SL200W II』には、特殊効果(FX)モードというライトエフェクトを演出できる機能もあります。
ほとんど使う機会はないと思いますが、8つのプリセットがセットされているので一応紹介しておきます。
操作方法は、FXボタンを押し、左のダイヤルを回すことで計8種類のモード変更ができます。
FX1:フラッシュ1
FX2:フラッシュ2
FX3:フラッシュ3
FX4:嵐1
FX5:嵐2
FX6:嵐3
FX7:TV
FX8:壊れたバルブ
まとめ
本記事では、『Godox SL200W II』を紹介してきました。
これまで複数台のライトを使って、多方向から撮影し光量調整していましたが、それぞれの角度や向き、距離など毎回変わってしまい、セットが面倒なうえに安定した絵にならないのがずっとネックでした。
『Godox SL200W II』は1台で十分な光量を補えるうえに一方向からの光で照らしているので影の付き方なども自然でキレイに撮影することができる。
200Wの高スペックな撮影用ビデオライトということもあり、キーライト(メイン)としても申し分なく光量不足の悩みは一発解決。
光量が十分あるため、天井バウンスで使うのもおすすめ。
ライト本体が重たいうえにバカでかく、気軽に移動させたりする場合には、あまり向かないが、ある程度決まった位置で使うのであればこれほど頼もしいライトはないと思います。
また、近いうちにソフトボックスのレビューも記事にするので、実際に撮れる作例なんかはそちらの記事で。
- 光量不足に困らない
- 自然な光の色味で照らすことができる
- 音にシビアな場面で使えるサイレントモード機能完備
- リモコンから操作ができる
- スマートプラグと組み合わせてスマホや音声から電源のオン/オフ操作ができる
- でかくて重たいので照明の移動を頻繁にする用途には向かない
- バッテリー駆動はできない